ワーカホリック

2月の終わりから3月いっぱい、帰りはずっと終電だった。
残業代はでるから、稼ぐのもいいかな、と思ったけど、いいかげんもういやになってきた。
まだ忙しいのは続いている。もうすこし続くかもしれない。

朝会社に来て、お昼休みもほとんどとらずに仕事をして、夜11時半に会社を出て、終電に乗って帰る。帰るのに2時間かかるから、家についたら1時半で、それからご飯を食べて寝る。朝になったらシャワーを浴びて着替えて家をでる。通勤電車は満員だ。千代田線直通常磐線綾瀬駅までは外が見えるから、ぼーっと外の風景を見ている。乗り合わせた人たちや中吊り広告をみているとイライラするからなるべく目に入らないようにする。家並み、焼酎工場、高速道路、ラブホテル、繁華街、遠くにかすんで見えるごみ焼却場の高い煙突、東京拘置所荒川放水路。北千住からは地下鉄千代田線に入るから外が見えない。息苦しい。

ワーカホリックというのはこういう状態かなと思う。
仕事だけして他のことを考えないという状態は、結構楽なのだ。仕事というのは、その成果物があるから、何かをしているという気になり、ある意味満たされている。
また、与えられた仕事をこなすことは、私のような事務の仕事の場合はだが、何も考えなくていいので(仕事をするための工夫はいるが)、とても簡単なことだ。

そして、仕事のこと以外は考えられなくなる。
ここが病的なところだと思う。

絵のことを考えるほうがとてもつらく、自分にはできない、と心細くなる。
仕事は受け身的に自動的にできるので、それに没頭していることは楽だ。

仕事を一生懸命している人っていうのは、こんな感じなのかな。
仕事をすると人にほめられるし感謝されるし、自分は満たされるし、お金もできるし。

ただ、それでオーケーの人生もあるけど、わたしはそうじゃない。
わたしはもうワーカホリックはやめだ。
はやく仕事が落ち着いてくれたらいいな。

絵を描いてもだれにもほめられないけど、そのほうがぜんぜんいい。