2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

【小説】あかるいみらい(3)「青い壁のカフェ」

バスにのって、首都高の下の影になった道路を行く。人でいっぱいなのは渋谷の街の中だけで、バスですこし離れると、急に人も少なくなり、物音も小さくなる。バスの窓から見る風景は、首都高やお互いのビルの影になっているので蒼暗く、まるで水族館の様だ。…

【小説】あかるいみらい(2)「馬という字のつく町」

「馬…、何だったかしらねえ、たしか、馬という字がついていたわよ」わたしが生まれた場所ってどこだったの?と未来は祖母にきいた。未来の父母は、未来が2歳の時に離婚している。母親は未来をつれて、その家を出たのだった。 未来の母親も、祖母も、その住所…

【小説】あかるいみらい(1)「東京のクラゲ」

爪ヤスリで、爪を丸く整える。 爪切りで爪を切ると、角度がうまくコントロールできずに、バランスが崩れる。左右対称でない爪は、気にしないでおこうと思えば気にしないでいられるのだが、そこに澱のようなものが残る。雑にしていることを気にしないようにし…

【詩_20120216】

ケンケン ケン パ夜道で 裸カルピスソーダは 覚えてる気がする